最近、コロナウイルスの感染拡大の影響で、実家に帰る回数が減り、高齢の親の暮らしぶりを心配する人が増えています。
しばらく帰っていないうちに、『体調が悪化して、ベッドで横になっている時間が増えた』、『薬の内服や食事を忘れることがある』などと活動量の低下や生活リズムの崩れなどが出現する高齢者も多いようです。
今回は、様々なセンサーで活動量や室内環境のチェックが可能で、テレビにメッセージを送る機能がある『みるモニ』を実際に3か月間使用した感想などを紹介していきます。
①総合病院で5年、訪問看護ステーションで10年、作業療法士として勤務してきました。
②高齢者の身体機能や住宅環境などを評価し、在宅生活を支える専門家として活動中です。
③保有資格:作業療法士、介護支援専門員、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
エヌ・エム・エスが提供する『みるモニ』は、各種センサーが内蔵された本体をテレビと接続し、日常生活を見守ることが可能なサービスです。
センサーから得られる各種情報は、スマートホンのアプリでチェックすることが可能となっています。
みるモニの概要
- 見守り状況のチェックがスマホから行える
- 家族に緊急事態を知らせることができる
- 室内で人の動いた回数が分かる
- テレビにメッセージを表示させることができる
- 室温の異常や熱中症の危険性が分かる
- テレビの作動状況が分かる
- 工事・ネット回線が不要である
- 無料アプリを活用して、居場所が分かる
『みるモニ』以外のセンサー・家電タイプの高齢者見守りサービスは、こちらの記事を参考にして下さい。
【みるモニ】の特徴
『みるモニ』は、ネット回線機能と各種センサーが内蔵された本体をテレビに接続し、高齢者の生活を見守るサービスです。
以下のような特徴があります。
見守り状況のチェックがスマホから可能
高齢者を見守る家族は、『みるモニ』のアプリをインストールすることにより、本体のセンサーから得られる情報をスマホでチェックすることが可能です。
また、1台の『みるモニ』本体の情報を複数のスマホに表示させることが可能で、離れて住む親を兄弟姉妹・家族で協力して見守ることができます。
スマホのアプリに表示される情報は、以下の通りになっています。
- 緊急ボタン通報
- 動きを検知した回数
- 室温・暑さ指数など
- テレビ作動状況
- 外出・帰宅通知
家族に緊急事態を知らせることができる
『みるモニ』は、各種センサーによる見守り機能だけではなく、緊急事態を家族に知らせる機能も有しています。
本体とオプションの人感センサーユニットには、緊急ボタンがあり、このボタンを押すと、家族のスマホに通知が表示されるようになっています。
室内で人の動いた回数が分かる
本体に内蔵された人感センサーによって、設置されている部屋の中の人の動きを検知することが可能です。
高齢な家族が在宅しているのに、極端に動きが少ない場合、体調の悪化や転倒などの異常の発生が疑われます。
逆に、家族が自宅にいないはずなのに、人の動きを検知している場合は、不審者の侵入などの危険性が考えられます。
テレビにメッセージを表示させることができる
『みるモニ』本体が接続されているテレビに、アイコンとメッセージを表示することが可能です。
このメッセージは、テレビが消えている場合でも、自動でテレビを起動させて表示することができます。
また、メッセージを表示させる日時の指定や毎日・毎週などの日時の設定を行う機能もあります。
室温の異常や熱中症の危険性が分かる
本体に内蔵された温湿度センサーによって、見守る家族のスマホアプリには、室温、暑さ指数/絶対湿度が注意レベルによって色分けされて表示されます。
暑さ指数は熱中症、絶対湿度はウイルスの活性と関係が指摘されており、表示された情報で、それぞれの危険性を把握することが可能です。
熱中症に関しては、危険性が高い場合には、熱中症の危険性を知らせるメッセージがテレビに自動的に表示される機能もあります。
テレビの作動状況が分かる
多くの見守りサービスの中で、他にはない『みるモニ』の特徴は、本体がテレビと接続している点です。
高齢者は、テレビが主な情報源であり、自宅にいる際は見ている時間が長いことが多いようです。
家族が自宅にいるのに、テレビが長時間にわたって作動していない場合は、異常の発生が疑われます。
『みるモニ』では、テレビのオン/オフの状況、昨日・先週との作動状況を比較することが可能です。
工事・ネット回線が不要である
本体には、ネット回線機能が内蔵されており、見守りたい家族の家屋内にインターネット回線が無くても、サービスを導入することが可能です。
私が、実際に、母親の家に設置した際は、10分程度で設置することができました。
無料アプリを活用して居場所が分かる
見守られる人のスマホに、『みるモニGPS』というアプリを入れて、『みるモニ』と連携させることにより、自宅外の見守りも可能となります。
外出・在宅の状況、位置情報などが分かるようになります。
料金(2022年4月現在)
『みるモニ』の利用料金は、以下の通りになっています。
初期費用 | 無料 |
---|---|
設置工事費 | 無料 |
月額料金 | 2,600円(税別) |
実際に使用してみた感想
私には、車で10分程度の場所に1人で暮らす母がいます。
母は、要支援2の判定を受けており、週2回デイサービスを利用しています。
膝の痛みの影響もあって、デイサービスが無い日には、ベッドで横になっていることがほとんどでした。
また、母の家を訪ねた時には、飲み忘れの薬を発見することも増えてきていました。
そのような状況が続いて、『みるモニ』のサービスを3か月間利用してみました。
実際に、使用してみた感想は、以下の通りです。
- 薬の飲み忘れが減った
- ラジオ体操が習慣化した
- 母の生活の変化に気付けるようになった
以下に、詳しい状況を説明していきます。
薬の飲み忘れが減った
テレビにメッセージを送る機能を使って、毎日決まった時間に、『薬の時間!飲んでね』というメッセージを表示させるようにしました。
これは、テレビの電源がついていなくても、自動的に電源がオンになってメッセージが表示されるので、母もメッセージを確認して、服薬できるようになりました。
以前は、電話などで服薬を促して、母から嫌がられていましたが、このメッセージ機能を利用することによって、そのようなこともなくなりました。
ラジオ体操が習慣化した
『みるモニ』では、人感センサーが内蔵されており、見守る人のスマホに動いた回数が表示される機能があります。
自宅で動く回数が少ない母に、そのスマホの画面を見せると危機感を感じたようで、少しでも体を動かそうと朝のラジオ体操を始めました。
本来は、どのように生活しているかを見る1つの指標として、動く回数が表示されていると思いますが、母とその情報を共有することによって、体を動かすモチベーションとなったようです。
母の生活の変化に気付けるようになった
動く回数、室温、テレビの作動状況などが分かるので、それらの情報に変化があると、母の状況の変化に気付けるようになりました。
母は、日によって膝の痛みが出現しますが、そのような日は動く回数が減るため、仕事帰りに母の家に寄って、状況を確認しています。
以前は、そのような変化に気付くことができず、母が転倒してしまうことがあったので、危険を未然に回避できるようになったと思います。
こんな方に『みるモニ』はおすすめ
3か月使用してきた経験を踏まえて、『みるモニ』のサービスが向いている方を考えてみました。
- テレビが普段過ごす部屋に設置してある
- 難聴で電話やメールでのコミュニケーションが難しい
- 活動量の減少や服薬忘れが心配